2018年06月22日
水に強くて経年変化も楽しめるレザーって?


ブーツまで含めると、所有する革製品は60点以上!

財布、名刺入れ、コインケース、キーケース、システム手帳、ノートカバーなど、プライベートや仕事で使うあらゆるアイテムを革製品で統一してます!

で、梅雨を迎えたこの時期に、当ブログを読んで革製品に興味を持ち始めた友人から、こんな質問を受けました。
「水に強くて経年変化も楽しめる革ってあるの?」
水濡れを気にせずガンガン使うなら、「クロム鞣し」の革に尽きますね~!
実際、世界中で生産されている皮革の90%はクロム鞣し革らしいし。
クロム鞣し革は、雨に強く、経年による色の変化もないので、新品購入時の状態をキープしながら細かいことを気にせずに使える。
定期的なメンテナンスもほぼ不要だし、まぁ一部の「革好き」以外は、クロム鞣しの革製品を選ぶのが正解でしょうね。
これが、「経年変化も楽しめて、水にも強い」となると難しい。。
「タンニン鞣し」の革は、経年による色や風合い、味わいの変化(エイジング)を楽しめる半面、水に弱いし、傷もつきやすいし、メンテナンスも必要。
ちなみに。
自分が所有しているレザーアイテムは、ほぼすべてタンニン鞣しの皮革を使った製品です!(クロムエクセルのみコンビ鞣し)
・ホーウィンシェルコードバン
・水染めコードバン
・ナチュラルコードバン
・顔料染めコードバン
・ブライドルレザー
・ホーウィンクロムエクセル
・栃木レザー
・サドルレザー(ハーマンオーク、EUダブルバットなど)
・トスカーナ産バケッタレザー
・ブルガノ
・エルバマット
・ミネルバボックス
・ミネルバリスシオ
その中でも、水に強いレザーは。。
圧倒的に、クロムエクセルですね~!
まぁこの皮革のみタンニン鞣しではなくコンビ鞣しなので、当然と言えば当然なんだけど、雨が降ろうが水たまりに落とそうが、まったく問題ナシ。
なので、ライダースウォレット、ジッポーライター、ブーツは、何も気にせずガシガシ使えるクロムエクセルで統一してます!

経験上、タンニン鞣しの革で水に強いと思うのは。。
ミネルバボックスとブライドルレザー!
ブライドルレザーは革にロウが浸透しているので、多少の雨ははじくし、シミやブク(水ぶくれ)にもなりにくい。
ドシャ降りの雨の中でブライドルレザーのキーケースを雨ざらしにしてしまったときは、さすがに雨の跡がブクになったけど、水分をふき取ってから自然乾燥させてクリームでメンテナンスしたら、まったく問題なくキレイになりました!
なので、ブライドルレザーの製品は、雨を気にせず比較的にラフに使ってますね!

ミネルバボックスは、オイルがたっぷり含まれていることと表面がシボ状になっていることで、雨に降られても水染みになりにくい。
雨が降ると、コードバンとヌメ革のアイテムはバッグの中やクルマの中に避難させるけど、ミネルバボックスのアイテムは雨でもそのまま。
この革はエイジングも素晴らしいので、自分的にかなりお気に入りですね~!

あと、顔料仕上げのコードバンは、革の表面を顔料で覆っているので水に強いです。
ランドセルに使用されていることからも、水(雨)を気にせず使える皮革だというのがわかりますね!
表面を顔料で覆っているので、ナチュラルコードバンや水染めコードバンのような経年変化は楽しめないけど、コードバンならではの素晴らしい「ツヤ感」は味わえる。
なので、「雨でも気にせず使いたい、でもコードバンがイイ!」って人は、顔料仕上げのコードバンを選ぶのがベターだと思います!

ただ、エイジングが大好きな自分的には、いくつか所有している顔料コードバンのアイテムは「つまらない」「味気ない」って思っちゃうんですけどね。。

逆に、極端に水に弱いのは。。
栃木レザー、サドルレザーなどのヌメ革。
とくにまだ使用して日が浅い、色の薄い革は、雨が降るとアッという間にポツポツと雨染みができます。。

全体を水に濡らしてから乾燥~オイルアップすることで、ある程度リカバリーは可能だけど、ぶっちゃけ面倒だし、確実に元の色合いや風合いから変化するし、雨染みが完全に消えずに残ってしまうケースも多い。
栃木レザーでもサドルレザーでも、雨染みには結構悩まされてます。
ぶっちゃけ、コードバンよりも水関係のトラブルは圧倒的に多いですね~。
(高価なコードバンは、雨が降るとすぐに隠すクセがついてるからかも。。)
あと水に弱いと言えば、やっぱりコードバン!
顔料染め以外のコードバン(シェルコードバン、ナチュラルコードバン、水染めコードバン)は、極端に水に弱いです!
水に濡れたまま放置すると、その部分が水膨れ状に膨らんでしまい、そうなるとリカバリーもほぼ不可能。。

とくにシェルコードバンは繊細なので、夏場にケツポケットにいれておくだけでも、汗で表面が曇ってシェルコードバン特有の硬質なツヤが失われ、その後のメンテナンスでもツヤが復活しなくなります。。
そこはやっぱり、上級者向け、マニア向けの皮革ですね!

「じゃどうするの?」と思った人に、大切な革製品を雨から守る方法を。
1.ロウ分の入ったクリームで定期メンテナンスする!
ロウ分の入った皮革クリームで定期的にメンテナンスをすると、ロウ分が革の表面をコーティングしてくれるので、これだけでも多少は水をはじくようになります。
革に潤いと栄養を与え、光沢を出してくれます。
薄く塗布して磨き込むと、かなりギラッとした光り方をするのが特徴。
もちろん、繊細なコードバンにも問題なく使えますよ~!
「汚れ落とし」「保革」「艶出し」が一度にでき、伸びがよい乳液状で作業性も抜群。
何より、透明感のある自然な光沢が素晴らしい!
「ツヤ感」が魅力のコードバンとの相性もバッチリ!
2.防水スプレーを使用する!
防水スプレーはかなり効果があります。
買ったばかりのコードバン財布に防水スプレーを吹いて、水道の水を上から流しても大丈夫だったから間違いない!(笑)

ただし、モノによってはスプレーを吹いた部分がシミになることもあるので注意!
揮発性が高くてシミになりにくいし、防水効果も抜群。
雨の日のお出かけ前などに防水スプレーを吹いておくと安心ですよ~!
「経年変化が楽しめる革=タンニン鞣し革」は、基本的に「水が大敵」です!
雨とも上手に付き合っていく必要があるし、水に濡れた後のメンテナンスも重要。
まぁ、そういうのをすべてひっくるめて「革を楽しむ」ってことなんでしょうけどね!
